武川建築設計事務所


設計事例


杉の家

敷地は岐阜県下呂市。温泉街で有名ですが、そこから車で20分ほど離れた山のふもとにあります。
施主は長らく東京で生活していましたが、数年前から活動拠点を地元に移し、杉玉づくり職人を生業としながら地域の活性化や自然との共生をテーマに幅広く活動をしています。
そんな施主の生き方が表れるようなコンパクトな家になりました。

ローコストで建てるという条件でしたが、できる限り安価なビニルのクロスや床材、新建材には頼らず生活の中で絶対に必要なもの以外をギリギリまでそぎ落としながら、手に触れる仕上げ材や柱梁はすべて地元でとれる杉無垢材を使っています。
昔の農家のような土間作業も多いので1階のほとんどが土間空間になっていますが、冬の寒さ対策として外断熱構造として薪ストーブで土間を蓄熱層として利用するようになっています。外断熱とすることで内部の仕上げが不要になり、床を作らないことと合わせてコスト削減に寄与する上、壁の下地が表されることで自分でなんでも作ってしまう施主が自由に棚や収納を作れる余白にもなっています。

竣工から1年半ほど経過しましたが、いまなお施主によって手を加えられ続けており、これからも家族とともに成長していく姿を見るのが楽しみな家です。

作品情報
用途 住宅
所在地 岐阜県下呂市
構造 木造在来工法
規模 2階建て
敷地面積 611㎡
建築面積 57.5㎡
延べ床面積 79.5㎡

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