2025.11.01更新

先日は博多で行われた地球の会サミットに参加してきました。
今回のサミットはなぜ木の家が良いのかを科学や環境的な観点など多角的に見直すような内容になっていて、地球の会の活動の原点を確認するような、そんなサミットだったと感じました。
私も僭越ながら登壇させていただきました。昨年よりリーダーを務めさせていただいた、工務店と設計事務所の新しい関係を考える会の成果報告です。
工務店と設計事務所の間には近いようで意外と深い溝がありますが、大変な勢いで変化していく社会の中でそれぞれの在り方も昭和の時代から大きく変わっています。これまでの固定概念をいったん取り払い、お互いの仕事について理解・整理し、新しい時代に何ができるのかを20名の仲間とともにゼロベースで議論してきました。
現状の成果としては以下の2点
1.共走型協業の提案
これまでの設計案件ありきの単発的な協業では互いの仕事のやり方や理念まで理解するのは難しく、考え方のずれからハレーションが容易に起こります。そうならない為にも設計案件以外の部分で日ごろから長期的な関係を作れる仕事の形を提案しました。
例:自社の理念を体現するための設計、標準納まり、素材検討の相談
日常案件の案件のプランアドバイス、セカンドオピニオン
設計事務所の作品紹介や設計勉強会
営業、工事部門を交えた竣工物件レビューのオブザーバー
等々・・
継続して関係性を築くことで、設計事務所はその工務店や地域にふさわしいデザイン、素材、構法は何か、どのような職人と連携できるかを深く知り、工務店には設計事務所の考え方、ものの見方を知ってもらい、より良いものを作る為にお互いのレベルアップを目指す。
こちらは10月より福井の永森建設さんでプロトタイプの実施が始まりました。
2.工務店と設計事務所の交流の場「チエノワ会」の開設
分科会活動としてはいったん終了しますが、お互いの理解を深める為に継続し活動できる場を作ります。結局は人と人との関係なので、対面し、言葉を交わすことが何より相手を知ることになると思います。
機能としては工務店、設計事務所からの協業相手探しや悩み相談の場として、又成果報告会や勉強会を企画するような会になると考えています。
チエノワの意味は・・
チエ:千枝の広がり、皆の知恵
ワ:和の心、継続の輪、木の年輪
を内包しています。
リーダー的な役はとても苦手なので人生においてはできる限り避けてくと心に決めていましたが、今回は日ごろ学ばせていただいた地球の会に恩をお返しする気持ちで頑張りました。思い切り背伸びしたのでまた世界が広がり、良い出会いもあり、得るものが多かったです。
工務店の方、設計事務所の方、ご興味ありましたら私又は地球の会事務局へ連絡くださいませ。

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